ブックレットには「誕生日」という素敵な散文詩が書いてあります。このデビューアルバムが制作された当時(1973年)のユーミンの心境(心象)が描かれています(「これまでも、そしてこれからも、わたしのじゃまをし、あるいは導き 喜ばせたり悲しませたりする”何か”とは自分自身だということがわかった今」って、なんだかグッときました)。これを読んでからアルバムを聴くといっそう味わい深かったです。2度おいしい。吉田拓郎の「元気です」も最初に直筆の散文が書いてあったし(例が古いですね)、こういう楽しみ方はMP3じゃなかなか難しい、やっぱりLPやCDだな!と再認識しました。
ひこうき雲も名曲ですが、他の曲もいいですよ。特に好きなのは、「そのまま」という曲ですね。ベッドの上から世界を旅して鏡の前に戻ってくる展開は見事だと思いますし、離ればなれになってしまった大好きな人(そしてたぶん理想の人)への想いが伝わってきます。泣けます。
最後のひこうき雲(いわゆるリプリーズというやつですね)はピアノと歌だけの弾き語りで、アレンジされたひこうき雲(1曲目)とは違ってまた切実さが伝わってきます。
映画「風立ちぬ」で「ひこうき雲」が好きになったそこのアナタ!ぜひアルバムを聴こう!