現在日本で『
ムード・インディゴ』(『アメリ』のオドレイが出てる!)が公開されているミシェル・ゴンドリー監督の、2004年の映画『
エターナル・サンシャイン』のDVDを借りて、観た。かつて、一度観ようとしたことがあったが、観ることができなかった。予告編には『
君によむ物語』が含まれているので、間違いなくあの時と同じDVDだ。
見終えて、あのときに観れなかったことが、必然だった気もしている。この映画は、大切なものを失った後、真夜中にひとりで観る映画なのかもしれない。
ストーリーは、別れた恋人同士が、お互いに過去の記憶を消すのですが、主人公の男性が「やっぱり消したくない」ということで記憶消去の治療?に抵抗する話で、単純に記憶を消しただけではどうにもならない、ということが切ない。
なんといっても、ジム・キャリーがいい味を出している。無精髭で、陰を帯びた表情。ストーリーとしては、シェイクスピアの。。。タイトルわすれちゃったけど、最後にお互いに毒を飲んで死ぬやつ。。。最初にクレメンタインが記憶を消して、その後にジョエルが記憶を消す、この流れが なんとなく似てるなぁって。なんというか、記憶を消すことは命を断つようなものだから、悲しい流れだよね。最初のほうの場面で、病院でおばあちゃんが映像を観ながら治療を受けている様は『
時計じかけのオレンジ』を思い出しちゃって、ちょっと気持ち悪くなった。
僕は男なので、どうしてもジョエルの立場でみてしまう。ジョエルが記憶を消す前にテープに向かってクレメンタインのことを悪く言ってるの、すごくわかる。自分にとって彼女がただひとりの人だという現実から逃れるためには、(情けない話だが)悪口を言うことは心の傷を癒すひとつの方法なんだと思う。少なくとも、自分と別れたあとに、彼女が誰かと一緒になるのははっきりしているわけで(なぜなら自分がここまで好きになった、こんな素敵な人、ぜったい他の人も好きになるに決まってる、と思っているから)これが辛い。しかし、この映画ではこの自分と別れた後に彼女と一緒になる人(一緒になろうとする人?)を『
ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッドが怪演している。いやー、気持ち悪かったし、クレメンタインと話をしているときにジョエルの資料を必死こいて見ている様は切なくすらあった(これ、今の時代だったらSNSを使って同じことやるやついるんじゃないか?)
あと、キルスティン・ダンストの役のメアリーも切なかったなぁ。ちょっと軽そうな感じの受付の女の子なんだけど、なんというか、また同じことを繰り返してしまった(彼女の場合は)絶望的な感じが悲しくなった。あのメガネの彼は、なぜメアリーと先生を二人きりにしたんだ!?好きなのに。わけわからん。
ジョエルが、必死にクレメンタインの記憶が削除されないようにするために、過去の記憶にさかのぼるところで、そこでもクレメンタインの存在に励まされるところ(子供の頃に動物をハンマーで不本意ながらに叩く場面とか)は、本当に切なくなりました。人を好きになると、そのうちずっと昔からこの人と一緒にいたような気持ちになる、あの感じだよな、きっと。。。と思いながら、過去の記憶をさかのぼるところは観ました。
ラストは希望を感じるというか、う〜ん、単純なハッピーエンドではなく、いろいろと考えさせられる終わり方でした。泣けました。
たしかに、BECKの曲、めちゃくちゃいい。もとは
コーギスというグループの曲らしい。
僕たちにとってのモントーク湖は、どこだろうか?
すべてを忘れたら、そこでまた会えるのだろうか?
。。。とカッコつけて終えてみたりなんかしちゃったりして。